クリーンエネルギーの技術として、人口光合成の研究は進められてきました。
その中で今回、人工合成のブレイクスルーとなるような研究が発表されたので、ここでも共有してみたいと思います。
二酸化炭素と水をギ酸と酸素に変換する光触媒シート
ケンブリッジ大学のチームから発表された論文によると、二酸化炭素と水そして太陽光を利用して、ギ酸と酸素を生成するシートを開発したとのことです。
生成されたギ酸はそのまま燃料として活用することもできますし、水素など別のものに変換して使うこともできます。
かなりエコ
水にこの光触媒シートを入れて太陽光をあてるだけでエネルギーを生成できるこのシートは、追加の電気やコンポーネントを必要としません。単体で完結するのです。
つまり、エネルギーを生成する過程での、有害な副産物の発生を限りなく抑えることが可能になりました。
また、液体として燃料を生成するので、保管や持ち運びにも有利です。
光触媒シートの実用化は?

今回は20平方cmの触媒での実験でしたが、既存の太陽光発電のような施設を作るのは比較的すぐに可能だといいます。
ですが、こういった技術で大切なことは、最初のこの段階でのさらなる安全性と効率化の確保です。ほかの触媒なども視野に入れながら、研究者たちは日夜研究に励んでいます。
■参考リンク■
Wang, Q., Warnan, J., Rodríguez-Jiménez, S. et al. Molecularly engineered photocatalyst sheet for scalable solar formate production from carbon dioxide and water. Nat Energy (2020). https://doi.org/10.1038/s41560-020-0678-6
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