各方面に新型コロナの影響が出ていて、酒類業界も例外ではありません。ロックダウンなどで消費量が一気に落ち、多くのお酒が廃棄されています。
そんななかオーストラリアでは、バイオマス発電に廃棄となったビールが使われました。
バイオガスからエネルギーを生産するグレネルグ廃水処理プラント

南オーストラリア州にある、SAウォーターのグレネルグ廃水処理プラントでは、下水処理の過程で出る汚泥を発行させ、そこから出るバイオガスを利用した発電をしていました。
そこにビールを加えたところ、発電量が飛躍的に向上し、1,200戸の住宅に十分な電力を供給できるほどになったとのことです。
バイオガス生成のプロセス
密閉コンクリートの消化槽の中に、下水処理プロセスの中で出た汚泥と有機性廃棄物を合わせて入れます。
そうすると消化槽の無酸素環境で加熱・発酵し、バイオガスが放出されます。
生成されたバイオガスは、SAウォーターのオンサイトガスエンジンを通じて電力となり、グレネルグ廃水処理プラントの電力の8割を賄ってきました。
そして今回そこに廃棄されたビールが追加されることになったのです。
ビールは”液体のゴールド”

その圧倒的な生産力について、SAウォーターの生産および処理部門のシニアマネージャーであるリサハナント氏は、ビールは消化槽にとって「液体の金」であると言っています。
ビールの高い発熱量とメタンの可能性は、廃棄物の発酵プロセスにおいて、それが共消化に完全に適していることを意味します。バイオガスから独自のエネルギーを生成する技術を新たな高みへと導いたとのことです。
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