人が亡くなった後、海外では土葬が多く見られますが、その際、薬品を使って遺体に防腐処理を施すので、環境への影響が懸念されています。火葬の場合でも、燃料を使い高火力で焼くため、環境にいいとは言えません。
そこで最近では環境に配慮した埋葬方法が考案されるようになってきました。
「おれが死んだら肥料にしてくれ」

アメリカにある会社、RECOMPOSEは、新しい埋葬方法として、有機還元葬を進めています。
このプロジェクトが推奨する埋葬方法は、遺体を特殊なカプセルに入れて約1か月間たつと、遺体が肥料として分解されるというものです。
このプロセス自体が、微生物による分解なので、これまでの土葬よりも環境にやさしく、火葬よりも消費エネルギーを大幅に削減できます。
2021年に最初の施設をシアトルで開業する予定で、フランチャイズも募集しています。
「おれは死んだら木になる」

イタリアにある、Capsula Mundiのプロジェクトでは、遺体を特殊なポッドに入れて、そこから木を育てていくという新しいアプローチを進めています。
卵型の生分解性ポッドに入れられた遺体は種として植えられ、その後その人が生前選んだ木がその上に植えられます。やがて期の養分として吸収され、木になっていくのです。
通常木が成熟されるまでに10~40年かかりますが、棺桶としては3日程度しか機能しません。伐採するよりも育てたいという思いから生まれた新しい埋葬の形です。
現在、イタリア政府はこの埋葬方法を許可していないので、実現するにはもう少し時間がかかりそうです。
故人の木が集まり、それが森になっていく。”追憶の森”。実現すれば幻想的な空間になるのでしょう。
「おれが死んだらきのこに・・・」
最後にご紹介するのは、オランダでスタートアップされた「リビング・コクーン」というプロジェクトです。
遺体を入れるループ・コクーンという棺桶は、菌糸体(きのこ)からできている100%天然の棺桶です。この棺桶は、オランダの土で45日間で分解されるのが確認されました。
棺桶の作成自体もかなりクリーンで、棺桶の型に菌糸体と栄養となる有機物をいれて放置すれば約1週間でできます。この時わざわざ熱や光などのエネルギーを与える必要もありません。
人の終わりの時も、自然のライフサイクルの一員となれるよう願いが込められています。

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