エコツーリズム大賞というものをご存じですか?
これは環境省と特定非営利活動法人日本エコツーリズム協会の共催により実施されている制度です。
全国の団体や自治体などがおこなっているエコツーリズムを表彰し、広く宣伝してくれます。個人での応募も可能です。11月30日が締め切りなので、エコツーリズムの活動を行っている方はぜひ応募してみましょう!
ということで今回はエコツーリズムについてお話していきます。
観光による環境破壊が問題になっていた
第二次世界大戦後、それまでは観光といえばお金と時間に余裕がある一部の上流階級のものだったものが、経済力の向上によって、広く大衆に普及しました。
それにより観光客が増え、自然が破壊されて行ってしまったのです。ごみの放置や落書きなど様々な問題が世界中で報告されています。
観光客だけでなく、観光の主催側の環境を考慮しない開発などもあり、環境や文化財への影響がますます広がります。
世界中で危機意識が高まる
環境問題じたいへの認識が1970年代からの国際的に高まってきたこともあり、環境業界へも影響が出てきます。
そこで、環境を守り、さらに持続可能な観光(サステイナブルツーリズム)という概念を取り入れた、エコツーリズムという観光の形が求められるようになったのです。
人の手の入っていない自然を観光にできるということで、発展途上国などの自国の自然を売り出した観光での外貨獲得という点でも、エコツーリズムが注目を集めるようになります。

カンボジアのチョンボック町では、2003年からコミュニティ密着型のエコツーリズムを行っていて、国際機関からも優良事例として認められています。
エコツーリズムの概念
インターナショナルエコツーリズムソサイエティ(TIES)は、エコツーリズム活動を実地するうえで、次の原則を守る必要があるとしています。
- 身体的、社会的、行動的、心理的影響を最小限に抑えます。
- 環境と文化の認識と尊重を構築します。
- 訪問者とホストの両方に前向きな体験を提供します。
- 保全のための直接的な経済的利益を提供します。
- 地元の人々と民間産業の両方に経済的利益をもたらします。
- 受入国の政治的、環境的、社会的気候への感受性を高めるのに役立つ、思い出に残る解釈体験を訪問者に提供します。
- 影響の少ない施設を設計、建設、運用します。
- コミュニティ内の先住民の権利と精神的信念を認識し、彼らと協力してエンパワーメントを生み出します。
エコツーリズムの問題点
このように、地域の活性化と自然や文化財の保護を組み合わせたエコツーリズムですが、新しい問題が発生する可能性があります。
エコツーリズムは”手つかずの自然”を観光として売り出していくので、自然と発展途上国に集まりやすくなります。
発展途上国では目的が”外貨の獲得”となりますので、そこで観光のための開発が進められるようになり、結果、環境保護というエコツーリズムの概念から外れてしまうこともしばしば見受けられます。
このように注意が必要なエコツーリズムですが、それ自体はこれからの観光業や地域の活性化のために必要な概念です。
上手く観光と環境保護を組み合わせてみんながハッピーになる企画を出していきたいですね!
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