廃タイヤで家を作る!アースシッププロジェクト

産業廃棄物

廃タイヤは日本だけで見ても年間9600万本、世界で見ると10億本も出ているといいます。2019年、日本国内ではそのうちの94%がリサイクルされたそうです。なかなか高い数字ですね。

リサイクルの方法は、燃料としての熱利用が多くの割合を占めますが、再ゴムやゴム粉など、加工して他の製品にすることもあります。

そんな中、廃タイヤで家を作ってしまおうという一風変わったプロジェクトがありましたのでご紹介したいと思います。

地球にやさしいがテーマのアースシッププロジェクト

画像元:https://earthshipbiotecture.com/services/

アースシッププロジェクトは、マイケル・レイノルズがはじめたプロジェクトです。彼は、1969年にシンシナティ大学建築学部を卒業し、1971年から現在まで持続可能な建築技術の実験と開発をしています。

初期のころの建築物は、廃棄されたスチールとブリキ缶から缶レンガを作成し、ボトルなども利用して建設されていました。今ほど洗礼されたものではありませんでしたが、それでも廃棄物を利用した家ということで、世界中から取材があったそうです。

土塁タイヤで作る家

そして現在、世界中でタイヤが廃棄物として余っていることもあり、マイケル・レイノルズはタイヤを利用したレンガを作ることにしました。

タイヤに土を叩き入れ、一つ一つを頑丈な”土塁タイヤ”にしていきます。それらを壁として並べ、隙間を土で埋め、最終的にコンクリートで固めます。

画像元:https://earthshipbiotecture.com

タイヤで作った家が健康や環境に影響を与えるのではないか?

最近の調査によると、細断タイヤは有害廃棄物である可能性や地下水質に悪影響を与える可能性はないことが示されているそうです。

タイヤが劣化してガスなどを発生させることがありますが、タイヤを劣化させるのは、高温、光への暴露、または強力な酸化性化学物質の存在です。土に埋められ、防湿材、スタッコ、塗料に囲まれたアースシップのこの状態なら問題ありません。

建築材料としてタイヤを利用すことは、タイヤを”資源”としてみる画期的な方法といえるでしょう。

アースシップに自給自足の環境が詰め込まれている

アースシップの魅力は、廃棄物を有効利用するという点だけではありません。そこには自給自足のシステムがそろっているのです。

ソーラーパネルや風力タービンが供えられ、エネルギーを自分で生産できます。

雨水や雪は貯水槽にためられ浄化するポンプとフィルターシステムを通して使われます。もちろんソーラー温水ヒーターもついています。

そして最近は、家庭菜園もアースシップのコンセプトに追加された設計原則です。

このように、アースシップは、限りなく地球にやさしい設計をした新しい住まいの形なのです。

いかがでしょうか?将来他の技術も発達してくることで、さらにエコな住まいになりそうですね。この間ご紹介した雨水から電気を発電する技術なんかも組み合わせたら、もう最強なんじゃないでしょうか?

ちなみに日本でも、倉科 智子さんがマイケル・レイノルズ氏を招いてアースシップを建設されました。徳島県美馬市にあるこのアースシップは、倉科により、Earthship MIMAという名前でゲストハウスとして運営されています。

機会があれば一度泊まりに行ってみたいですね!

■参考リンク

アースシップ

一般社団法人日本自動車タイヤ協会

TIRE INDUSTRY PROJECTのレポート

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